トヨタ自動車の社員の方が、業務が原因でうつ病を発症し自殺した事件の労働災害申請に、当事務所では、2010年から11年余り取り組んできましたが、2021年9月16日、労働災害であると認める判決が下されました。そして、国が上告を断念し、判決は確定しました。
詳細は、以下の時事通信の記事のとおりです。
2010年にトヨタ自動車社員の男性=当時(40)=が自殺したのは、過密な業務と上司のパワハラでうつ病を発症したのが原因として、男性の妻(50)=愛知県豊田市=が国に労災認定を求めた訴訟の控訴審判決が16日、名古屋高裁であった。古久保正人裁判長は「発病させる程度の精神的負荷を受けたと認められる」としてパワハラなどが自殺の原因と判断。請求を棄却した一審名古屋地裁判決を取り消し、労災と認定した。
古久保裁判長は「男性が海外に関わる業務で困難な課題を課せられ、他の社員の面前で、上司2人から大声で威圧的に叱責されることが反復継続されたため、うつ病の症状を悪化させた」と指摘。こうしたパワハラについて「許容範囲を超える精神的攻撃と評価するのが相当」とし、業務と自殺との因果関係を認めた。
名古屋地裁は昨年7月、上司からの叱責などについて「発病させるほどの負荷だったとまでは認められない」としていた。
判決によると、男性はエンジン動力をタイヤに伝える製品の生産ラインを構築する業務などに携わっていたが、09年10月ごろにうつ病を発症し、10年1月に自殺した。妻は遺族補償年金を請求したが、豊田労働基準監督署は労災と認めず不支給処分としていた。
トヨタ自動車の話 従業員の声を吸い上げ、手を差し伸べることができなかったことは反省すべきで残念だ。風通しの良い職場風土を築くよう、努力を続けていく。
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